薫風の纏め

何だかなあという話になっている薫風ですが、この辺りで人物の年代などを・・・。
安倍時親は、吉平の子で晴明の孫です。
晴明920--------------------------1005
     吉平954----------------------1026
                泰明989---991 
             永泉974----------------------101?
               時親986-------------------------
                                泰継1010--------------- 
                                           泉水1081------
                                           ??1081------ 
??のキャラは気付いていらっしゃる方いるかも。私は岡本綺堂が好きですし。
では本編をどうぞ。

呼び求めたほどの時親に抱かれていても、泰継は安らぎとは程遠かった。
背後から回された腕。剥き出しの皮膚に触れる絹。彼の匂いだろうか? 朝露にも似た
香りがした。
「は・・・、あぁ・・・」
泰継が震えた。華奢な体は弛緩と硬直を繰り返している。速すぎる鼓動が胸を痛ませ
呼吸を圧迫する。
脳を霞ませるほどの痺れと熱に泰継は喘いだ。
「どうした? 泰継」
温かい吐息とともに、囁きが耳に注がれた。抱きしめる腕に力が入る。宥めるように時親
が細い首筋に口付けたが、気休めにもならなかった。
原因は彼ではないのだ。
「あ・・・怖い・・・」
「怖い?」
すいと時親が首を傾げた時、足元から声がした。
「初めての体験ですから」
座した時親の膝に座らせた泰継・・・その大きく開かせた脚の間に永泉が身を屈めていた。
口元から溢れた唾液を絹布で丁寧に拭ってから永泉が顔を上げた。
赤い唇が濡れ光っている。
「快楽など、知らない・・・。それを先に教えよと、あなたは望まれた」
永泉は切なく立ち上がっている泰継を握り締めた。
「ああうっ!!」
痛みに泰継の背が反りかえった。
しとどに濡れそぼったそこから、淫靡な音がした。先端の小さな裂け目から、新たな蜜がどろり
と漏れる。
「苦痛を先にするよりは良い」
「お優しいですね。少なくとも時親殿の先々代よりは」
時親が瞳を眇めた。稀代の陰陽師と言われた安倍晴明を永泉は知っている。泰継の前に創ら
れた泰明を媒体にして。・・・時親の知らない祖父を。
「会った事もない祖父と、比べられては困る」
「泰継殿もきっと同じ気持ちでしょう。でも時親殿、この可愛らしい器をどうしたいか・・・ご自身が
わかっておいでではないようですね」
「陰陽の技を伝え・・・」
「それは、血を繋げれば済む事・・・。作り物ではなく」
若い時親は、絵うに明確な答えを返せなかった。
永泉は軽く笑うと、細い顎に手を掛けて泰継の顔を自分に向けさせた。
「・・・泰継殿。何が、どう怖いのですか?」
涙に濡れた双眸が虚ろに永泉を見つめた。
「答えられませんか? それとも、言葉を知らないだけでしょうか」
苦しい呼吸に喘ぐ泰継に永泉が接吻した。
「ねえ、泰継殿」
泰継が顔を背けた。時親の着物に熱い頬を擦りつけるのを見て、永泉が肩を竦めた。
「嫌われてしまったようです。・・・では、続けましょうか」
「嫌・・・!」
身を捩って泰継は抵抗した。しかし、永泉を拒み床を蹴る足は簡単に捕らえられてしまった。
「私に・・・何故・・・。あ、ぁ・・・」
「愛しいから」
「違う・・・」
泰継が頭を振った。緑がかるほど色の薄い髪が中空に舞う。
「おまえが一体何を知っている?」
抱きしめる時親の手が胸を這い、汗ばんだ肌でぷつりと立ち上がっている果実を摘んだ。
「−−−!」
「これは気持ち良い事だ。泰継」
「何所かに弾けて飛んで行ってしまうようでしょう?」
永泉が桃色に色づいた先端を舐めた。
二箇所を同時に責められる泰継がびくびくと痙攣を起こす。
「いきなさい。私が受け止めて差し上げる・・・」
形の良い唇が笑みを刻んだ。


床に横たらされても、泰継は動く事が出来なかった。濃い疲労に覆われた体は、逃げたい
という意思を裏切り続けるだけだ。
「さあ、もう一度」
「ああ・・・」
泰継が啜り泣きを漏らした。
幾度解放させられたのか、もう覚えていない。
炎を抱えたような熱さに包まれ、気を失うほどの衝撃を与えられる・・・これが、快楽だと
教えられても、泰継には辛すぎた。
「んんんっ」
そこを扱かれるだけではない感覚を覚えた泰継が瞳を見開いた。
「な・・・?」
「そろそろ、こちらを」
しなやかな指先が、奥まった小さな裂け目をなぞった。
「そうだな・・・」
時親が頷き、泰継の髪を撫ぜた。
「おまえに服従を教える。泰継、私の祖父が泰明にしたように」
おや、と永泉が時親を見やった。
「私に血を与えて下さった方ならば、今と同じ事をしただろう」
「確かに・・・」
蛤に詰めた香油を永泉は取り上げた。
「泰継殿も同じ思いですか?」
秘所に触れた冷たさに身を竦ませた泰継が、ぎゅっと目を閉じた。

ラストは決まったのに、話が遅々として進まず・・・。
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