両手を頭上に広げるようにベッドヘッドに繋がれているせいで、横たわる姿勢を
長時間太乙は強いられていた。体のあちこちが痛んでも、捩る事すら出来ずに、
何度目になるかわからない溜め息を吐いてしまう。
機械を弄り出すと何もわからなくなってしまうほど熱中してしまうのは何時もの
事で・・・。
今日は訪れた玉鼎を放っておいてしまったのだ。
その咎を今、太乙は嫌というほど味合わされていた。
「・・・あ・・・っ」
ぶん、と羽音にも似た、それでいてくぐもった音が起こった。太乙の体が目に見えて
硬直する。
「あ、あ、あああ・・・」
体の尤も弱い場所に入れられた異物がまた、動き出したのだ。
玉鼎が身につけている西域産のトンボ玉に、おぞましい細工をさせられ、太乙は
自身に使われていた。
親指と人差指で作った輪ほどもある玉は、不規則に動いて太乙を苦しめた。
「や・・・」
嫌がっても、止める術は太乙にはない。
機械を操る手を封じられてしまえば、何も出来はしない。
「助けて・・・」
寝台の外、平然と書を広げている玉鼎に、太乙は訴えた。
「・・・苦しいか?」
「あたりまえ・・・だよ・・・」
肩口で切り揃えられた髪がぱさりと揺れた。
「その割にはずいぶん感じているようだが?」
玉鼎の視線が向けられている先を知って、太乙が羞恥に頬を染めた。
「違う、これは・・・?」
「それは?」
頬杖をつき、玉鼎がゆったりと足を組んだ。
「今にも達きそうではないか。温もりのない玉でもおまえには充分なようだ」
太乙は堪らず顔を背けた。
それでも、体内を振動する玉にじとしている事などとても出来ず、括られた手首を
支点に太乙は身悶えた。
「師兄、助けて・・・。お願い・・・」
「・・・そうだな」
ふいにばちりと手首に絡まる縄が千切れた。玉鼎の力によるものだったが、感情を
セーブしきれていないのか、衝撃が強すぎて、白い太乙の腕に血が滲んだ。
「始末しろ」
玉鼎の指が、惨めなモノを差す。はしたない姿に太乙が慌てて膝を立てて隠した。
「私に良く見えるようにだ」
色の薄い瞳が、憂いを含んで玉鼎を見つめた。
「手だけでは達けぬか?」
「あ、あ−−−・・・!」
玉が最大限の振動を起こしたのだ。
「やるから、や・・・、止めてっ・・・!」
太乙が肩を抱きしめ、体を丸めた。がくがく痙攣する身を宥めようとするかのように。
「では、5分だけ止めてやろう」
「そんな・・・っ」
ここまで体内を嬲られていては、体制を整えるだけでも5分経ってしまうだろう。
「今にも弾けそうではないか。さほど時間は必要ではないはずだが?」
涙が浮かんだ。
「嫌・・・、こんなの嫌だ・・・。師兄・・・」
「私に何を求める? 太乙」
「機械なんて、要らない! 師兄が、師兄が・・・」
とても言葉が続かず、太乙は枕に顔を押し付けた。隠す物を何も持たない体が、
シーツの上で震えた。
切なげに揺れる太乙に、千切られた縄が這った。
「ひあ・・・っ」
微妙な刺激に、太乙が悶えた。くすぐったいようで、それは的確に感じる場所を
責めてくる。
「・・・おいで」
玉鼎が誘った。
「師兄・・・」
「私が欲しいのだろう?」
潤んだ瞳では、はっきりと玉鼎が見えはしなかった。見えない事が悲しくて、早く
側に行きたいと思った。
「・・・うん」
太乙は体を起こした。地に足をつけると、含んでいる異物がもっと深く感じられた。
テーブルに近付き、倒れるように玉鼎にしがみつく。
「温かい・・・」
うっとりと太乙が呟いた。
冷たい機械も、今は必要ではなくて・・・。
「師兄が欲しいよ」
「わかった」
命じられるまでもなく、太乙は自ら床に膝をついた。縛られていたせいで、上手く
動かない手でもどかしく玉鼎の着物を寛げる。
舌で触れてから、兆しも見せないそれを太乙は口中に迎え入れた。大事に愛しみ、
熱く穿たれる事を期待して。
必死に仕える太乙の髪を玉鼎が掻き上げた。
半ば伏せられた瞳は、まっすぐに揺らぐ事がなかった。
幾度も長くはない髪を指で梳いてやる。髪を弄られるだけで感じるのか、唇をいっぱい
に塞がれた太乙の呼吸が荒くなる。
玉鼎は微かに笑むと、太乙を剥がし、床に四肢をつかせて這わせた。
待ち焦がれて赤く染まる背に指を滑らせ、玉鼎が彼を貫いた。

というわけでリベンジなのです。
最近スランプかも・・・。今一つ納得いく話が出来ないのです・・・。