柔らかな光。
金鰲島の闇と人工的な光しか知らなかった楊戩には、まだ慣れなくて、それでも心地よい光。
閉じた瞼を通して、優しくそれが伝わる。
「ん・・・」
まだ起きたくないと駄々をこねたい。
そんな楊戩の額に、静かに温かな手が当てられた。
「楊戩」
その声には逆らえない。
「目が覚めているのだろう?」
穏やかな声。
楊戩にとって、一番大好きな・・・。
「師よりも後に起きるとは」
嫌わないで。
腕を伸ばし、玉鼎に抱き着く。
「おはようございます」
「ああ、おはよう」