遅咲きの八重桜を全て散らせてしまうような嵐だった。固く締め切った窓が外から破られそうに
軋んでいる。
毎年起こるこの激しい雨と風が、春を終わらせる区切りで、季節は初夏へと移っていくのだ。
ただ・・・私は嵐の夜が好きではない。理由もないのに、心がざわついて平静を保つ事が出来なく
なる。
人がまだ人でなかった頃の記憶だろうか。僅かな燭明かりの中、壁に背を預けて、私は溜め息を
吐いた。
「落ち着かないようだね」
ふいに扉がからりと開いた。
「もうお休みだと思いました」
「風がかなり煩い上に、君がまだ起きているようだったからね。折角君を訪ねたのに、さっさと
自室に下がってしまうとは、つれない」
遠慮もなく友雅は部屋に入り込んで腰を降ろした。
「ここにおいで」
彼は嵐など気にならないのだろうか。何時ものように突然訪れて来たのは嵐が始まる前だったが、
こうして屋敷に閉じ込められてしまっても、いささかも動じてはいない。
「おいで
友雅の声は呪文のように響いた。誘われるように私は立ち上がる。ふらりと近付いた所を、腕を
取られて引き寄せられ、膝に座らされてしまった。
後ろからまわして抱きしめてくる腕で、胸元をまさぐられ、私は体が熱くなるのを感じた。
「あ・・・っ」
「どうした?」
着衣を通しても友雅には気づかれてしまうだろう。その上彼は私の襟を寛げて直に肌に触れて
きたのだ。
「今日はずいぶんと大人しい」
嘲笑しているのだろうか。浅ましいと軽蔑して・・・。
「離し・・・っ」
「何故?」
友雅がぴんと乳首を弾いた。
「あああっ・・・!」
嬌声が漏れかけるのを、唇を噛み締めて堪えたせいで、半端なうめきとも叫びともわからない
音になった。それが気に入らなかったのか、弾かれて疼くそこが捩り上げられた。
「痛い・・・ああ・・・っ、止め・・・」
、正直になりなさい」
背を押されて、私は床に倒れた。腰は捕えられたままだったので、下半身だけを掲げた姿にさせ
られてしまう。
「嫌だ!!」
体を回転させて逃れようとしても、勿論許されるはずもなかった。
「自分で裾を上げてごらん、
身を屈めた友雅が私の耳元に囁いた。
「ん・・・っ」
拒絶する為に動きかけた頭が固定され、耳から伝った唇が項に這わされてきた。背にぞくりと
しびれが走る。
「さあ・・・」
手を取られて導かれた。
もう休もうと、夜着一枚になっていたせいで、私は下履きをつけていなかった。裾を捲くって
しまうと、それだけで剥き出しになってしまう。
「友雅殿・・・」
尚も躊躇う私の髪を、彼は優しく梳いた。
簡単にさらけ出せる方が返って良かったかもしれない。かっちり着こんでいれば、いくら言われて
も羞恥が上回り、きっと無理だろうから。
ゆっくりと私は腕を上に寄せた。
「よく出来ました」
くすりと友雅が笑み、私はいたたまれなくなってしまう。下肢だけを無防備に晒して、彼を待ち
望んで。
「んんんっ」
友雅の指が臀部を滑った。
「ここは陽に当たらないから・・・抜けるように白いね」
「触らないでっ!」
体が熱い。体に引き摺られて心がざわめく。
焦らしているのか、肝心な部分には一向に触れてくれず、腿を、下腹を、愛撫の手は動き回る。
「やっ、ああ、もう・・・」
「私にどうしてほしい?  、言わないとわからないよ?」
私の顎を捕えて、友雅は振り返らせた。瞳は既に涙が滲んでいて、彼がよく見えなかった。
目にある雫を拭ってくる指に、思わず私は接吻した。塩辛い涙の味がするのも構わず、口に含んで
舌を絡める。
「指がそんなにいい?」
くちゅくちゅと無心に舐める私の頭を撫ぜて、友雅が問うた。
「本当に?」
私は動けなくなってしまった。私が熱を帯び、高ぶっている事を、当然知っているはずなのに。
指を舐めたのは私なりの求め。早く、彼が・・・欲しい。
なのに、敢えて口に出さないといけないのか!
「ああ・・・」
私はすっかり涙声になってしまった。

瞬間、深々と貫かれた。濡らされる事をしてもらえなかったのは、なかなか素直になれなかった
私への、きっと、罰。
きりきりと痛みが脳に突き刺さる。
「うっ、ううう・・・っ」
「可愛いよ、
友雅の囁きが私に染みた。
内壁が彼のモノに纏わりついていく。
私を開いたのは、友雅。こうして、熱くなる体にしたのも彼。
彼に出会うまで、嵐の夜を私はどう過ごしていたのだろう・・・?
!」
きつく友雅にしがみつき、私は体が求める熱い波に心を委ねた。

これは、紫宸殿様への押し付けプレゼントです。
馨子様、レイカ様、素敵な絵を貰う一方だったので、お返しに一つ送ります。
煮るなり焼くなり何でもしてやって下さい。その前にJavaちゃんと動くかなあ。
これと対になる、攻が不定バージョンもあります。
こちらは私の所に展示しないでおこうと思ったのですが、片一方だけでは何の事か
わからないみたいになってしまったので、展示させて頂きます。
ごめんなさい。
泰明、頼久、永泉、鷹通、茜、藤姫くらいがいけるかなあ。要は私と喋るキャラ。

初期設定は、「泰明」「来てっ!!」「あああっ」でした。・・・書いてて恥ずかしい・・・。