「え、永泉、何を・・・ああっ」
泰明が袂の長い永泉の袖を掴んだ。しかし、力の入らない指先は、軽く身を返された
だけで呆気なく床に落ちた。
「初めてのご経験はいかがですか?」
耳元で甘く永泉が囁く。
ぞくりと全身を震わせた泰明が、潤んだ瞳で永泉を見上げた。
「体の中に・・・私の、中・・・く、うううっ」
「大丈夫だよ。食い破ってしまったりはしないから」
そこで初めて泰明は詩紋に気づいた。光を思わせる金の髪が揺れ、小首を傾げて詩紋
は笑った。
「それは僕から永泉さんへのプレゼント」
永泉は自分よりもさらに小さな体に腕を回して引き寄せた。
「こうして私達を気にかけて下さる方がいて幸せですね」
内よりの振動を伝える秘所に指を這わせ、溢れる香油を絡め取る。
「しっかり口を閉ざしなさい。泰明殿にしてははしたない。漏れるままですよ?」
「・・・くっ」
泰明が唇を噛み締めた。
「多分こういった類の物は」
ふいに永泉が玉を繋ぎ、泰明からはみ出ている紐を掴んだ。
「出される時が最も感じるのでは?」
「当たり。すごい、永泉さん」
掌をぱちんと合わせた詩紋が、組み敷かれた泰明の上へ身を乗り出した。
「・・・泰明さん」
絹糸のように細い髪に触れる。
目元を袖でそっと覆う。
それが合図だった。
永泉が、紐を力いっぱい引いた。
「ああ、ああっ!!」
跳ねる体は詩紋が押さえつけた。当然、彼がそうするだろうとわかっていたから、永泉は
泰明を嬲る事に専念出来た。
疲れ果てて落ちた眠りからはっきりと目覚めぬままに加えられる刺激の強さはすさまじい
ばかりだった。
「嫌・・・!!」
くっと自然に収縮する場所が内側から開かれていく。拒むように閉ざしても尚、肘を使い
手首を捻って力づくで引く永泉には敵わなかった。
一つが抜けてしまえば後は簡単だった。
熱く滑った香油を光らせながら、玉は次々に泰明の中から現れた。
「駄目、まだ」
最後の一つが半分ほど顔を覗かせた時、詩紋が泰明のモノに手を伸ばした。
「簡単に達ってしまったらつまらない」
根元を封じられ、鋭い痛みがわいた。
「良い子ですね」
永泉がすっと瞳を細めた。
「嬉しいですv 永泉さん、大好き」
「それは光栄ですね。・・・では、あなたも、このようにされてみたいですか?」
玉によって開かれたまま、切なく食い締める入り口を永泉は指で辿った。
「ひあ・・・っ」
「いえ」
詩紋は即座に否定した。
「わかって下さっているはずです」
塞き止められて真っ赤に色づいた先端の裂け目を爪先で割りながら、幼さを残す顔が
永泉をひたと見つめた。
「僕は、泰明さんのように感じられない」
押さえつけても溢れ出る雫に詩紋は唇を寄せ、舐め取った。
「苦いのに・・・どこか、甘い」
「泰明殿らしいでしょう?」
熱く柔らかな内腿を永泉が抓った。
「はあうっ!」
「確認してみたかっただけです。ええ勿論、あなたが私の側にいる存在だと・・・気づいて
いました」
言いざま、残った玉が力任せに引き抜かれた。それが泰明の肉を離れる瞬間、詩紋が
握り締めていた掌を解放した。
掠れた悲鳴が室内に響いた。
泰明の放った物が弧を描いて地に落ちた。


永泉が詩紋の髪を撫ぜた。
「僕は・・・」
「あなたが、こうしたお相手を見つけられるまで、通って頂いても構いませんよ」
「えっ!?」
「今まで、ご自分の本性を出せなかったのでしょう?」
ゆったりと腕を回し、小さな体を抱きしめる。
「それに・・・お持ちになられた品々の使い方が、私にはわかりませんから。からくりでしょうか。
珍しいですね。未知の物ばかりです」
解かれた包みの上に揃えられた玩具に永泉は目をやった。
「詩紋殿のお住まいの世界には、面白い物があるのですね」
「全部教えてあげます!」
身じろいだ詩紋が、絹に包まれて眠る泰明に手をかけた。
「泰明さんで」
顔を輝かせた詩紋に、永泉は笑みを深くした。

新年早々、あやしい物をお届けしました。
これにて詩紋、永泉の弟子入り決定です。こんな爛れた世界に踏み込んだ詩紋は、
素敵な相手を見つけられるのでしょうか。
ご感想など頂けましたら幸いです。→