「離して・・・っ」
掴まれた腕から逃れようと、楊ゼンは身を捩った。
「駄目だ。君に逆らう権利などありはしない」
太乙が力いっぱい楊ゼンを寝台に突き飛ばした。未だ子供の域を脱しない小柄な体は、あっけなく
柔らかなベッドに沈んだ。
「何を今さら恥ずかしがる? ん? 師兄も私も、君の体全てを知っているんだよ?」
「や、やだやだ!!」
苦笑を太乙が浮かべ、ベッドサイドの棚の引き出しを開けた。中には、鎖やベルトなど、およそ様々に
楊ゼンを苦しめる物がぎっしり収められていた。
びくりと楊ゼンが竦んだ。
「縛るよ。結局感じてしまうくせに、何時も逆らうのは、こうして欲しいから?」
「そんな、わけ・・・」
楊ゼンは顔を背けた。太乙の言葉を完全に否定出来なかったから。
抱かれる事は苦痛でしかないはずなのに、嫌でたまらないのに、気がつけば、達かされ喘がされて
いるのだ。
「認めたらいいのに。君は抱かれるのが、好きなんだよ」
両手を広げてそれぞれのベッドヘッドに拘束される。させまいと暴れても、易々と封じられ、革のベルト
が巻かれ、銀鎖が通された。。
ぐっと引っぱっても、弛む気配すらなく、楊ゼンはこれからされる事を思って涙を浮かべた。
「相変わらず泣き虫だね。まだ準備の段階で」
拒む事は出来ないよ、と太乙が赤い唇にそっと接吻した。
玉鼎が捕えた子供。金鰲からの侵入者。生命の代わりに二人は楊ゼンを共有し、支配した。
太乙の手が下へと動き、楊ゼンの足首に触れた。
「ん・・・」
細い足首にもベルトがされた。大きく開かせた左足は体を折った上で手首と同じ場所に繋ぎ、右は天井
から垂れる鎖に繋いだ。
楊ゼンに与えられた部屋は、あちこちに、彼を苛む物が仕掛けられているのだ。この、今拘束されている
ベッドも、一人で眠る時は使う事を許されない。
抱かれる時だけ、人間らしく温かな褥にいれるのだ。
「もう少し、上げた方がいいかな」
太乙が首を傾げて考え、頭近くに幾つも置かれているクッションを腰の下に押し込んだ。
秘所が上を向いたまま固定される。
「うん、これで君の中が良く見える」
「あ・・・」
もう何度も玉鼎に、太乙にこうして縛られたが、羞恥に楊ゼンは顔を逸らせた。
すっと、内腿に太乙の手が滑った。
「滑らかで、柔らかい・・・子供特有の肌だね。気持ちいい」
「僕を子供だと言いながら・・・何故抱かれるのですか・・・?」
精一杯の抵抗を楊ゼンが口にした。
「抱きたいから。それに私達が満たされれば、君の機能が大人かどうかなんて関係ないだろう? 子供
の頃から仕込めば、いい体になるよ」
くすくすと太乙が笑う。彼の方が、玉鼎より感情豊かだった。
「ひ・・・んん・・・」
太乙の指が、隠しておきたい蕾を擽り、楊ゼンはかすかにうめいた。
「熱く熱、持ってるね。毎日のようにされて、少しは慣れたのかな?」
太乙が作り、玉鼎が秘所に咥えさせている珠から垂れる紐を引き、太乙は一息に引き抜いた。
「う、ああああ!」
内壁を激しく擦られて、楊ゼンは叫んだ。太乙の扱いには容赦がなかった。
痛みに撓る楊ゼンを宥め、蕾に指をつぷっと潜らせる。
「・・・いっ」
太乙の指は何の湿り気も帯びずに、ぐいぐいと楊ゼンを抉った。珠のせいで、初めて抱いた時に苦痛を
覚えるほど狭隘だった楊ゼンも、今ではふっくり優しく弛んでいる。
それでも、狭い事には変わりなく、この体が最初から小さく・・・男を悦ばせる為に作られているように
感じさせるのだ。
「これで何時も広げてあるから、慣らす手間が省けて助かる」
受け入れるには少し足りないほどの弛みであるが、太乙は以上の事をする気はなかった。
大きく開いた脚の間に太乙が身を割り込ませた。
「まず一回させてよね」
「や、嫌! 痛いのは−−−・・・」
「男とやる場所がないのだから、多少の痛みは我慢するしかないね。それに君はここで痛みの他に
感じている。・・・挿れられている間に達ったりするだろう?」
体重を掛け、太乙が幼い蕾を貫いた。
「あ−−−−!」
叫んだ悲鳴が凍りつく。揺すぶられて、不安定に浮いた下肢が彷徨う。
「ん・・・気持ちいい。本当に、君は私を満たしてくれる」
色の薄い太乙の瞳が、苦悶する楊ゼンを見下ろした。
何も知らず、金鰲の奥で無垢に暮らしていた頃の記憶が楊ゼンの脳裏にぼんやり浮かんだ。
ほんの好奇心から侵入した敵地崑崙で捕えられ・・・。
ぐい、と太乙がきつく突き上げ、楊ゼンは苦痛の中に戻された。
「気を失ったかと思ったけど。違うみたいだね」
「あ、止め・・・」
切なく立ち上がりつつある楊ゼンを、太乙は捉えた。
「ほら、兆してる」
巧みに扱かれて、楊ゼンが嫌だと首を振った。抱かれるだけではなく、こうして屈辱のまま解放を強い
られるのは、堪えられなかった。
「離して、やだっ!!」
頬が打たれた。パンッと音がして、熱感が広がる。
「逃れようのない現実なら、大人しく受け入れるんだ。君の拒絶などうんざりだね」
太乙が一層激しく突き、楊ゼンの奥深くに自身を解き放った。
「きれいにしなさい。君の中で汚れた」
わざと言葉で嬲り、引き抜いたモノを仰向いた楊ゼンの唇に捩じ入れる。
「ぐっ・・・!」
異臭と、気持ちの悪いぬめりに楊ゼンが咽たが、上から圧し掛かられて、拒む事など出来るはず
なかった。
「私がこっちをしてあげる。よく覚えて、どうしたら私達が気持ちよくなるか、考えるんだ」
晒されている楊ゼンに、太乙は唇を寄せた。
「私を清めるより早く達ったりしたら許さないよ」
楊ゼンは涙を溢れさせ、それでも必死で太乙に奉仕を始めた。

何時までも・・・終わりのない囚われの時間が、過ぎていく。

太乙編・・・
パラレルってもしかして楽しいのかも。・・・どこがパラレルなんだ、何時もと同じじゃないかーー
とかは言わないでーです。
楊ゼン囚われバージョンや、玉鼎と太乙に初めてなのに時差で襲われてしまうバージョンとかは
本を読んでね☆ 全然さりげでない宣伝でした・・・。