| 玉鼎は体をずらし、楊ゼンの脚を少し開かせると手を添えて、彼のモノを 口に含んだ。 「く・・・うっ」 悲鳴が喉の奥から絞り出された。 楊ゼンは玉鼎の舌の感触を痛いほどに感じ、大きく変化を遂げていた。 体中の血がどくどくと音を立てている。 頬にかかる黒髪を、玉鼎はうるさそうに掻きあげ、尚も楊ゼンに舌を這わせる。 ｢んん･･･は､あ･･･｣ 悩ましげに声を上げて堪えがたい官能に楊ゼンは身を捩った。 長い時間をかけて玉鼎は指で楊ゼンを楽しみ、唇で狂わせた。 掠れた悲鳴が尾を引き、楊ゼンが背を反らせ、長い髪が踊った。 「ああ−−−・・・」 大きく息をつき、ベッドにぐったりする楊ゼンを見下ろし、玉鼎は言った。 「先を続けるが」 「師・・・匠の、お望み・・・通りに・・・」 胸を満たす苦しみから解放されたくて、楊ゼンは了承を返した。 「では、起きなさい」 けだるげに楊ゼンが体を起こすと、玉鼎に向き合い腕はすがるように回す事を 求められた。 玉鼎は腰をまたいだ楊ゼンの目の前に指を突き出して命令を下した。 「自分で濡らしなさい」 「あ・・・」 体を楊ゼンは引きかけたが、瞳を閉じるとその指を口に含んだ。赤い舌が満遍なく ねぶり、根元まで湿らせていく。 充分に濡らされたのを見計らい、玉鼎は唇を開かせた。そのまま、秘所へ宛がわれ 促される。 「おまえが、来なさい」 幾度も玉鼎を知る場所が熱かった。 目で誘われ、楊ゼンは僅かに姿勢をずらせて玉鼎の中にそそり立つモノに おずおずと腰を落として深く迎え入れた。 「あ・・・ああ・・・」 容赦のないそれは、楊ゼンの内壁を押し広げて進んで来る。 玉鼎が少し動くだけで、楊ゼンの体は苦痛を訴え、腰が引けた。 「駄目だ」 手が、楊ゼンを捉えて離さなかった。 首筋にしがみつく楊ゼンの息づかいを感じながら、玉鼎はさらに深く突き上げた。 「痛・・・い・・・あ、止め・・・て・・・」 掠れた声で訴えるが、聞き入れられず行為は続行された。 しかし、つのる痛みの中で楊ゼンは感じ始めていた。 玉鼎が気づき、耳たぶを軽く噛んだ。 「は・・・っ」 「自分で動いてみなさい」 楊ゼンは、玉鼎にすがったまま首を振った。 「どうした？」 首は縦には振られない。 「仕方がない」 それきり玉鼎は、腰に添えていた手を解き動くのを止め、訝しげに見る楊ゼンを放って ベッドに横たわった。 黒髪がシーツに吸い込まれるように広がる。 「あ・・・」 体勢を変えられ、玉鼎から離れた腕が、頼る縁をなくした。前へと倒れる体を玉鼎が 支える。 がくりと項垂れた肩口から陽に焼けない項が露になった。 「嫌です、離して・・・」 いきなり前を掴まれて息が詰まる。 「もう一度してやろうか？」 静かに、しかし楊ゼンをぎりぎりまで追い詰める。 「楊ゼン？」 指をゆるゆると這わせて、返事を待つ。 「う・・・ん・・・」 煽られた体は、もう火がつくだけだった。 体の芯から沸く物を無視出来ないが、これ以上燃えさせられる事に、楊ゼンの矜持が 拒んだ。 「いい・・・です」 楊ゼンは玉鼎の言葉を拒絶した。 「そうか」 しかし、その応えを玉鼎は軽く受け流し、さらに指を動かした。 絶え間ない動きに楊ゼンの喉が鳴って仰け反り、汗が顎を伝い落ちた。 くすぶり続けていた意識が限界にきていた。 玉鼎の胸についた手を握り締め、楊ゼンは一秒でも早く熱い高まりが去ってくれるのを 願った。 それにも関わらず、待ち望んだ解放は得られず、楊ゼンは当惑した。 「あ・・・師匠・・・」 楊ゼンの瞳には、笑んで自分をひたと見つめる玉鼎が映った。 手は離され、楊ゼンがどんなに態度で求めても、再び触れてこようとはしなかった。 「−−−！！」 体は益々熱くなって・・・。 切なくて、悔しくて、楊ゼンはもう玉鼎を待つ事が出来なかった。 楊ゼンがゆっくりと腰を動かし始めた。 「う・・・く・・・」 顔を上げ、玉鼎を見ずにすむように。 玉鼎がそっと楊ゼンの腰に手を添えた。 師の指の冷たさを実感して、楊ゼンが震えた。 「ん・・・あ・・・っ」 名を呼びかけたが、言葉は飲み込まれた。後は、時々の喘ぎと息づかいが漏れている だけだった。 「は・・・ああ・・・」 上体が揺らいでいる。楊ゼンの怯え、震えが玉鼎に伝わってきた。 「師匠−−−！」 楊ゼンは叫び、大きく背を反らせると緊張を解き、玉鼎の胸へ倒れた。  |