体が強張ってきしきしと痛んだ。同じ姿勢を長時間強要され、全身が

悲鳴を上げている。

  冷たい石の床。それもまた、楊ゼンを苦しめた。

  動く事は出来ない。少し身じろいだだけでも、首にかかったロープが絞まる。

  周囲は闇。ただ、首のロープを床へと縫いとめる斬仙剣のみが淡い光を放つ。  

  楊ゼンが囚われているのは、金霞洞に数多く存在する部屋の一つ。

  道府の主以外は決して足を踏み入れる事などない奥まった場所だ。

  そこに、動物のように閉じ込められている。 

  −−檻の名は、独占欲。