「こら、何処で寝ている」
      玉鼎が呆れたように声をかけた。
      今日は遅くまで書斎で過ごしていた玉鼎が、私室に戻る為に開けた扉の横で、
     楊ゼンが座ったまま眠っている。
     「楊ゼン」
      軽く小突くと、ころんと横に倒れてしまった。
     「起きなさい。部屋に戻るぞ」
      屈んで、強く体を揺すってやる。
     「ふに・・・」
      幾度めかに、ようやく楊ゼンは瞳を開いた。
     「師匠?」
     「ああ」
     「もう、終わられました・・・?」
      楊ゼンの掌が目の周りを擦った。どうやらまだ完全に覚醒していないらしい。
     「こんなに体が冷えるまで、何をしていたんだ」
     「師匠の側にいたくて、でも邪魔はしたくなくって・・・だから・・・」
      玉鼎が溜息を吐いた。
     「湯を使って温まってきなさい」
     「嫌です。僕は汚くないです」
      半分眠った楊ゼンとはどうにも話が噛み合わなかった。
     「冷やしたままだと風邪をひく」
      立ち上げらせて、浴室に連れて行こうとすると、楊ゼンが抗った。嫌がる仕草が、
     大人になりきっていない楊ゼンをより幼く見せる。
     「湯なんていりません」
     「−−楊ゼン」
     「師匠が温めて下さればいいです」 
      平時の楊ゼンなら、恥ずかしがって口にしないような言葉。
     「本当に、そう望むのか?」
     「・・・勿論です」
      楊ゼンがにこりと笑った。
     「わかった。おいで」
     「はい」
      手を引いて、玉鼎が彼の部屋へと誘った。


     「どうして、僕服を着ていないんですか!」
      寝台の上で楊ゼンが叫んだ。
     「それにこの手。解いて下さい」
      後ろで一つに括られた両手は、きつくはなかったが、揺すっても緩む様子がない。 
     「おまえが暴れるからだ」
      玉鼎の頬には薄い擦過傷があった。
     「僕がやったのですか?」 
     「おまえ以外に誰がいる」 
     「でもっ」
      意識を目覚めさせる薬を嗅がされた楊ゼンである。頭がすっきりすると、先ほど
     自分が言った事が思い出されて、逃げ出してしまいたい気分なのだ。
     「もうしませんから・・・」
     「駄目だ」
      あっさりと拒絶されてしまう。
     「どうしてですか?」
     「その姿がそそられる」
     「師匠!」
      自由のある下半身で、いざって後退さった。その、残された脚までもが、捉えられる。
     「止めて下さい」
     「駄々っ子だ。大人しくしなさい」
     「や・・・あっ」 
      掴まれた足の先を口に含まれて、楊ゼンの声が上擦った。
     「あああっ!」
      一本一本舐められていくと、全身に疼きが走り、体から力が抜けていく。
     「や、止めて・・・」
      楊ゼンが拒むと唇はすぐに離れた。
     「何故嫌がる?」
      俯いた顔を玉鼎が上げさせた。至近から見つめられて、楊ゼンの瞳が羞恥に潤んだ。」
     「変な感じで、気持ち悪い・・・です」
     「駄々の他に嘘までつく」
      玉鼎は瞼に口付けた。
     「こういうのを・・・」
      指が楊ゼンの胸元から滑った。
     「ん・・・」
     「気持ち悦いと言うんだ」
      形を変えている下肢に触れ、握られた。敏感な先端に爪先が意地悪く立てられる。
     「あくっ!」
      がくりと楊ゼンが反り返った。体を支える両腕が封じられているので、その姿勢のまま、
     寝台に倒れてしまう。
     「舐めてやろうか?」
      蒼い髪を揺らして、楊ゼンの頭が振られた。
     「どうして欲しい? 辛いだろう?」
      括れの周囲が撫ぜられた。刺激は決して強くなく、ただ楊ゼンを焦らせた。
     「僕を・・・苛めないで」
      瞳から涙が流れたのに気づいた玉鼎の表情が和んだ。
     「楊ゼン」
      玉鼎が覆い被さった。
     「唇への接吻はどうだ?」
      昼間の空を映す瞳がゆっくり閉じられた」
     「欲しいです・・・」
      合わせられた唇が、冷たく、そして同じくらい甘かった。


      それで彼らはらぶらぶ×××に突入しちゃうんですねえ。何時もの事ながら何という
      二人なんだろう。
      リクして頂いた、水上様、こんな物でよろしいでしょうか?(びくびく)